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人事データ分析(ピープルアナリティクス)の重要性
近年、採用・異動・昇格・離職などの人事に関わる意思決定を統計的に分析する「ピープルアナリティクス」に注目が集まっています。人事の意思決定は属人化・暗黙知化が進みやすく、多くの会社で課題となっています。
例えば、面接のチェックリストを作ったと想像してみてください。活用しようにも、結局面接官の勘と経験で採用可否が決まり、チェックリストは形骸化してしまう、このような事例に心当たりはないでしょうか?
そこで、解決策として注目されているのが人事データを統計的に分析する「ピープルアナリティクス」です。ピープルアナリティクスは過去数年から数十年分の人事データを統計手法・AI を用いて分析を行います。
分析で得られた示唆を活用することで、勘と経験に頼らない、効率的かつ公平な人事ができるようになります。ビッグデータ分析が一般化した影響もあり、大会社のみならず中小企業もピープルアナリティクスに取り組み始めています。
さらに、工場内における作業員の動線・社内チャットの情報など、様々なデータと人事データを組み合わせることで、ピープルアナリティクスの活用の幅は今後大きく広がる見込みです。
分析内容
過去にいただいたご相談をいくつか例示します。
1.離職原因について:離職率が増加しているので、原因を調査してほしいというもの。
2.優秀な社員の特徴について:お客様が立案した、「優秀な社員は〇〇である」という仮説を検証するもの。
3.女性管理職割合について:女性管理職が少ない理由の調査と、数年後の女性管理職割合をシミュレーションしてほしいというもの。
分析における要点
データの取り扱い
ピープルアナリティクスにはデータの取り扱いにおいて以下のような難しさがあるため、これらの課題を把握し、着実にクリアしていく必要があります。
- 使用したいデータが別々の部署で管理されている(採用データの管理は A 部、年齢・性別など基本プロフィール情報は B 部 など)
- 制度変更の影響で、数年前のデータと現在のデータの形が異なる
- データに個人情報が多く、取り扱いに注意が必要。個人情報をマスクする要員が限られており、分析の遅れにつながりやすい
- アンケート結果は、事前に承諾を得ている用途でのみ使える
分析観点の整理
データが集まっていてもそれをどう分析したらよいのかは勘所が必要です。t 検定・カイ二乗検定といった統計的知見はもちろん、分析観点の整理も必要になります。
”離職率”を例に私たちの手順を示すと、以下のようになります。
1.単年の調査:「今年の離職率は〇%でした」「今年の △ 部の離職率は〇%でした」
2.経年の調査:「昨年度と比較して、〇%増えています」
3.ベンチマークとの比較:「競合他社と比べて、〇%高いです」
4.要因分析:「離職の原因は〇〇です」
5.予測分析:「この社員の離職率は〇%で、理由は〇〇です」
分析結果
分析結果は、「離職率低下に向けた施策」や「10年先の女性管理職比率増加」といった人事施策の検討に活用していただきました。